JWLI について

JWLI (日本女性リーダー育成支援事業)は、日本女性のリーダーシップ育成・支援を目的に、2006年に設立されました。この研修は、「日本社会に良い社会変革をもたらす活動を実践する女性リーダーの育成」を目的にした、日本女性を対象とするフェローシッププログラムです。米国マサチューセッツ州ボストン市のフィッシュ・ファミリー財団と、シモンズカレッジ経営大学院ジェンダー研究所かの運営のもと、日本から派遣された女性フェロー研修生たちが、米国ボストンに4週間滞在しながら学ぶ、唯一無二のプログラムです。

資金提供・運営組織 フィッシュ・ファミリー財団

JWLIの会

JWLIの会は、JWLIボストン研修を修了したフェローによる任意団体で、2012年に設立されました。 JWLIボストン研修フェローは、それぞれNPO、国際協力NGO、社会福祉、教育、民間企業といった様々な分野で活躍してい ますが、定期的にそれぞれの活動状況を共有しお互いよい刺激を与え合うとともに、同じ志を持つ女性リーダーや非営利活動 の支援を目的に、独自のワークショップや各種勉強会などを企画、実施しています。 また、米国のJWLIボストン研修事務局と連携をとり、JWLIボストン研修の日本における広報活動、フェローの選抜から渡航 準備までのJWLIボストン研修に関する日本側での運営のサポートも行っています。

創立者

atsuko-toko-fish1 厚子・東光・フィッシュ:日米異文化コンサルタント職を退職後の近年は、フィッシュ財団の理事として従事。同財団を、夫のラリー・フィッシュ氏と共に1999年に設立。低所得就労世帯(特に移民、もしくは母子家庭)を支援する社会福祉団体の援助を目的としている。また、異文化交流に取り組むプログラムや団体の援助も行っている。

2011年3月に起きた東日本大震災以降は,いち早く「東北緊急援助基金ボストン(Japanese Disaster Relief Fund Boston)」を立上げ,被災者支援活動に尽力した。同基金は、緊急援助を中心とし2年間という活動目標を掲げ、総額にして約100万ドル(約1億円)に及ぶ助成金を、東北で活動する19支援団体に送り、2013年3月にその活動を終了した。

JWLIの活動に加え、 Asian Task Force Against Domestic Violence (ATASK)にて10年以上にわたり理事を務める。ボストンを中心に活動する同団体は、アジア系のDV被害者とその子供へシェルターや支援を提供する。ATASKの理事長として在職中には、暫定事務局長を兼任した経歴もある。

2012年9月には、これらの功績、また日本とアメリカ合衆国との間の相互理解の促進への貢献により,日本外務省より外務大臣表彰が授与される。翌年2013年には、これらの功績、特に女性のエンパワーメントへの貢献が認められ、ホワイトハウスよりChampion of Change賞を受賞する。

Management Sciences for Health (MSH)、Health and Development Service (HANDS)、ボストン財団、シモンズ・カレッジ、ジャパン・ソサエティー・ニューヨーク、ボストン美術館、米日カウンセルなど、文化・教育・コミュニティーと様々な分野の団体の理事も幅広く務める。

デュカキス元マサチューセッツ州知事のもとでは、日米間の長期的な観光と貿易についての政策作成とその実施を7年にわたり行う。また、ウェルド元州知事のもとでは、10年にわたりアジア系アメリカ人委員会の委員を勤めた。2006年にはパトリック元州知事により同委員会へ再任命される。

賛同団体 / Associate Partners




事業紹介

JWLIボストン研修、アメリカにおける社会貢献の在り方と、女性のリーダーシップについて学ぶ4週間の奨学研修プログラムです。
社会貢献の分野で、大きな役割、影響も持つ非営利団体の様々な組織や活動を学び、またアメリカでの社会起業家研修でトップ10に選ばれた、シモンズカレッジ経営大学院での管理職女性リーダーシップ研修にも参加します。戦略的な女性リーダーシップや、米国での非営利組織マネージメントの最新事例を学ぶ機会を得ます。

フェロー研修生は公募により、毎年4~6名が選抜されます。 フェローは、シモンズカレッジ経営大学院主催の「女性のための戦略的リーダーシップ」コースの参加、ボストンで成功している複数の非営利団体の訪問を通して、非営利団体の経営や運営の最新事例を学びます。 フェロー研修生たちは、帰国後は研修で学んだことを今後の自らの社会貢献活動に活かすとともに、志を同じくする後に続く女性リーダーの育成を積極的に支援することが期待されます。
  • リーダーとしての自覚と自信を得る
  • ボストンで活躍している非営利組織(Nonprofit Organizations)を訪問し、非営利団体の経営や運営の最新事例、社会における非営利団体の役割を学ぶ
  • シモンズカレッジ経営大学主催の「女性のための戦略的リーダーシップ」コースを受講し、真のリーダーシップや女性としての活躍について学ぶ
  • 日本社会に社会変革をもたらす活動の実践計画であるアクション・プランを構築する

背景

日本では米国に比べて、非営利組織の環境がまだ十分に発展しているとはいえません。いまだに非営利分野で働くことは無償のボランティアであり、プロフェッショナルな仕事ではない、と考えている人も少なくないでしょう。今後の日本でも非営利組織の存在感がますます高まり、女性の活動・活躍も一層求められていくことでしょう。そのなかでリーダーとして活躍する女性の育成と支援を目的としてJWLIが立ち上がりました。

応募

フェロー研修生の募集は、毎年1月から始まります。詳細は 応募のページ(英語のみ)をご覧ください。

研修スケジュール

2015年度の研修スケジュール

主な訪問団体・組織

  • Asian Task Force Against Domestic Violence – ATASK
    1986年設立。ATASKは、主にアジア系移民を対象にドメスティック バイオレンスの被害者とその子供たちを救うために活動。一般的な 米国人シェルターでは文化や言語の違いから阻害されがちなアジ ア人が安心できるよう、21言語でサポートを展開。被害者が生活す る郊外のシェルターや英語クラスなど自立支援サービスの見学を実 施。組織代表をはじめ、予防教育プログラムを運営する若手スタッ フや各部門の担当者から直接学ぶ。
    www.atask.org
  • City of Boston – Office of Women’s Advancement
    ボストン市長直轄の組織。行政・企業・非営利団体との協業で、社会参加、経済、健康、安全の男女格差を解消することを目指す。ボストン市の女性に関する調査・分析、男女間賃金格差の解消、DV・性暴力を撲滅などに取組んでいる。官・民・非営利の新しい協業モデル、リーダーシップを学ぶ。 http://www.cityofboston.gov/women/
  • Ellis
    1985年設立。ELLISは、行政サービスが行き渡らない低所得者 地域の家族向けに、就学前乳幼児向けのケア、青少年向けの放 課後学校、成人向けデイケアサービスなどの支援を行う。ボストン研修では5日間をELLISで過ごし、各施設見学や担当者ヒアリングの他にCEOからは組織運営やリーダーシップ、資金調達など幅広くい実践ノウハウを学ぶ。2014年のボストン研修ではこの他、ELLISの協力団体として、ボストン公衆衛生委員会のプログラム を担うNPOファミリー・ジャスティス・センター(FJC)も訪問。
    www.ellismemorial.org
  • Management Sciences for Health – MSH
    1971年設立。MSHは、2014年のボストン研修より新たに加わった団体。途上国でよりよい医療を実現するための強い医療システ ムを作るべく、任務に従事するリーダーやヘルスマネージャー、コミュニティの強化に取り組む医療系NGO。HIV&AIDS、結核、マラリア、慢性病、家族計画、母子保健を中心に、世界的な医療課題にグローバルに取り組む。ボストン研修ではリーダーシップ強化を重点的に学ぶ。
  • Project Citizenship
    フィッシュ・ファミリー財団が従前から支援して来た市民権取得支援の14団体を束ねて、新たな団体として立ち上げた。永住権を持ちながら、経済的理由などで市民権取得の手続きの取れない移民の人たちを支援する。短期間で団体を立ち上げた手法やリーダーシップ、アメリカの移民に関する実情や課題を学ぶ。
  • The Boston Foundation
    1915年創立。今年で100周年を迎えたボストン財団は、健康、教育、就業、コミュニティ、文化芸術の5分野を中心に助成を行っており、個別基金約1000を運営する。非営利団体への助成の他、インパクト評価、統計・調査、アドボカシーなども行い、企業や大口寄付者向けには特にカスタムメードなフィランソロピー・コンサルティングを提供している。
    http://www.tbf.org
  • Women’ s Lunch Place
    1982年設立。Women’s Lunch Placeは、ホームレスや低所得者の女性のための栄養価の高い食事、安全な休息スペース、洗濯や 休養用ベッド、パソコンやアートのクラスなどを提供。ボストンのおしゃれな人気エリアにある施設見学時には、2種類のメニューから選べるランチを体験。ファンドレイジング担当者からは、大小さまざまなイベント実施についての実用的なノウハウを学ぶ。
    http://womenslunchplace.org/

フェロー

設立当初の2006年より、公募により毎年4名のフェロー研修生が選抜されます。
フェローズ一覧 >

ボストンからの報告

フェロー研修生の声

  • 櫻井啓子さん(マーケティング・コンサルタント)– 2010年/第4期生
    JWLIの研修の概要、其のスタートのFish Family Foundationの使命感と活動に、深く感動いたしました。そして、是非この研修に参加させていただきたいと強く望む気持ちを持ちました。私自身ビジネスリーダーのキャリアの道から、NPO活動の道への変換を是非この研修を通して、実践していきたいと切望するようになりました。
    多いなる期待感を持ってスタートした研修は、私の想像をはるかに超えた素晴らしいプログラムでした。アメリカの「内側」に入り、現実のNPO活動から、その社会問題の深さと、取り組む人々の「心」に触れる事、これは、こうした研修プログラムであればこそ可能とするものです。また、NPO組織の新しい世代である「NewProfit」のスタッフとの会議などを通して、いまやアメリカの非営利組織の在り方が新しい時代に突入している事も学ばせていただきました。
  • 丹野絵里子さん(NPO勤務)– 2010年/第4期生
    アメリカのNPOがこうした自立支援サービスを提供する際、・・・現状に甘んじず、常に良いプログラムとサービスを追求し、提供する、という姿勢も、学ぶべきところかもしれません。
    このように、たくさんの「気づき」を得られたのは、様々なNPOに直接訪れ、スタッフから直接話を伺うことができる、というJWLIプログラムの賜物です。さらに、JWLIを通じて、様々な人々と出会えた結果、単なる「気づき」から「問題を解決するためには、自分はどのように行動できるか」という、「自ら動きだす」ための勇気と方法も学ぶことが出来たと思います。現在、就職活動中で、今後、自分はどこへ進んで行ったらよいか、と迷っていたタイミングで、JWLIに参加できましたこと、本当に有り難く思っています。お世話になった方に深く感謝致しております。ありがとうございました。
  • 小島和枝さん(大学院生/イギリス在中)– 2010年/第4期生
    1か月というJWLIの素晴らしい経験をさせて頂きました。応募必要項目に5年程度の社会経験というものがありましたが、私のようにそのような社会経験のない学生を選んで頂き、私にとっては最高の経験をさせて頂きました。自分が何をしていきたいかなどが明確になり、たくさんの社会経験を持った方々から良きアドヴァイスも頂けました。この経験を生かし、少しでも社会貢献をしていきたいと思っています。自分の5年後が楽しみです。最後にお世話になりました皆様にお礼をさせて頂きます。ありがとうございました。

JWLIフェローからの報告

2010年度プログラムに参加されたフェロー研修生からのプログラムの概要と報告です。

はじめに

今回このJWLIプログラムに参加し、米国でのNPOの理念や運営、ファンドレイジングなど、また女性のリーダーについて学ぶ機会を頂きました。今回の研修によって得られたものは、知識はもちろんのこと、それ以上に、そこで働く人々のパッション、多様な考え方、働く上での姿勢などに、より多くのものを頂いたように思います。それらは決して本や参考書だけでは得られない、正に実際に自分が接し、体験することでしか得られない経験であったと思います。今回、このような貴重な経験を得られたことは、今後の私の人生において、大きな宝物になると同時に、スタート地点になると考えています。

Web of Benefit

最初に訪れたWeb of Benefitでは、まず「夢」を持つことの大切さを教わりました。今回のプログラムを参加するに当たり、私たちは事前に「Dream Proposal」を書くことを求められました。自分の夢について改めて考え、文字に落としていくという作業を行ったことがなかったため、最初は戸惑いの方が大きかったことを覚えています。「夢」の前に、「現実」を考えてしまっていたからです。しかし、Web of BenefitのJohanna Crawford氏に、「大きすぎる夢というものはない」という言葉に励まされ、自分のやりたいこと、自分が目指したいことを自由に考えることが出来たと思います。その上で、自分の可能性が広がる気がしました。

Ellis Memorial

Ellis Memorialで印象的だったことのひとつは、他のNPOとの連携を行い、例えばホームレスの人々の職業復帰のための訓練として作っているサンドイッチを、Ellisの施設のランチとしてオーダーするなどの有機的な連携の試みです。これは今後の非営利組織として非常に重要であると感じました。また、ファンドレイジングを行う際にも、企画書のテンプレートを上手く利用しているなど、ファンドレイジングを行う上で参考にさせて頂く要素を学びました。
しかし、それ以上にEllis MemorialのLeo Delaney氏が、組織のスタッフを含め、どのように人と接しているかということに学ばされました。彼は組織運営のために色々な策を行っているとは思いますが、それ以上に彼の周りの人々に対するケアや心配りが、ドナーやスタッフから信頼を得ているのではないかと思いました。こうした人間としての信頼関係やカリスマ性は、どのような仕事についていようとも重要なものですが、NPOに対し出資(寄付)をする人というのは、単にお金を出し、金銭的な見返りを求めているのではなく、どれだけそのお金が「生かされたか」、またそのNPOのスタッフや被益者との心の交流なども求めている人が多いように思います。戦略やビジネスライクな態度だけではなく、どれだけ効果を出し、心も通わせることが出来るかということも、NPOとして必要となってくる要素なのではないかと考えさせられました。

シモンズ大学 Strategic Leadership for Women

シモンズ大学でのSLWの講義では、リーダーシップとはどういうことか、また女性がリーダーシップを取っていくことの難しさや意味、またどのようなリーダーシップを取っていくべきかということを、米国の各地から集まった営利・非営利の女性たちと共に学びました。その中で非常に大切だったことは、まず自分を知るということです。自分と言う存在は、一番身近なようでいて、見えていないことが多くあります。自分を知った上で、戦略を使ってリーダーシップを取っていくことの大切さを学びました。

ATASK (Asian Task Force Against Domestic Violence)

ATASKを訪問した中で、最も印象に残っているのは、ATASKの事務局長であるリンダの経営に関する戦略的な手法です。彼女はドメスティック・バイオレンスの支援などに関する活動の部分に関してはスタッフに基本的に任せており、彼女自身はATASKという組織の経営をどのようにしていくかということを念頭に動いています。
非営利組織とは言え、基本的にお金がなければ、そして組織を動かしていく経営方針や理念がなければ、組織として成り立ちません。彼女はそのことを良く理解していて、おそらく経営の立て直しの方に専念をしているように見受けられました。非営利組織を運営していくにあたって、その活動に対するパッションはもちろんスタッフの働くモチベーションにもなる根幹的な部分ではありますが、今後はもっと多くのNPOの中にマクロ的なビジョンで経営をすることができる、例えば元々ビジネス界にいた人材などを取り入れる動きがあっても良いのではないかと思います。

最後に

アメリカでは、10人中9人が、自分の資金を何らかの社会貢献に寄付をしているそうです。日本より遥かに優れた寄付に対する免税の優遇措置の違いなどはありますが、人々の中にある「寄付」や「社会貢献」に対する根本的な考え方が、全く異なるものであることを、改めて認識せざるを得ませんでした。しかしだからと言って、私たちが日本で社会貢献を諦めるべきではなく、どういう方法であれば日本で受け入れられるのかということを、改めて考えなくてはならないと思わされました。
また、正直これまでは全く意識したことはありませんでしたが、今後自分が「リーダーシップ」を取っていくことの意味を改めて考えさせられました。「リーダーシップ」にも様々な形があり、どれが良いということはありません。自分にとって一番心地の良いリーダーシップの在り方というものを、今後も継続して模索していければと思います。
最後に、このプログラムを最初に構想して下さったフィッシュ厚子さんを始めとし、フィッシュ財団、シモンズカレッジ、そして3つのホストサイト、そして数々の場所で私たちの訪問を受け入れてくださった組織の皆様に、このような貴重な学びの機会を頂けたことを深く感謝致します。

JWLIフォーラム

米日財団の支援により、2010、2012、2013年には、研修プログラムがさらに発展し、JWLIの支援プロジェクトとしてフォーラムを開催しました。
米日財団
米日財団は、相互依存関係がより一層強まりつつある世界において、日米両国の絆をより強固にするために、互いの知識を育み、相互理解を一層深め、意思の疎通を向上させ、共通課題に対処するプロジェクトの支援を行います。